身近な医療 こう変わる

▲身近な医療 こう変わる(<asahi.com>WS060614)=高齢者を中心とする患者の窓口負担増や、新たな高齢者医療制度の創設を柱とする医療制度改革関連法は、14日午前の参院本会議で自民、公明の与党などの賛成多数で可決、成立した。患者負担引き上げに加え、長期入院患者の療養病床削減、生活習慣病予防など、高齢化で増え続ける医療費の抑制を強く打ち出した内容で、今年10月から順次実施される。
医療への国庫負担の割合

▲グラフ1国庫負担率(『しんぶん赤旗』H15.3.3)=サラリーマン、退職者の医療費自己負担を4月から3割にして1.5倍にする政府・与党の負担増計画にたいして、実施凍結を求める世論と運動が広がっています。これに対し小泉首相や自民・公明連合は「凍結したら医療保険財政が破たんする」「医療費が払えなくなる」と国民を脅し、凍結の動きを抑えつけようと躍起です。
今日の医療保険財政の赤字をつくっている原因、その責任はどこにあるのでしょうか。保険財政の赤字の1つの原因は、医療保険への国庫補助をどんどん減らしてきたことです。(グラフ1)
1992年に政管健保の黒字を理由に、国庫補助率を16.4%から13%に3.4%引き下げました。当時、厚生省幹部はこれを「当分の間の暫定措置」「万一財政状況が悪化した場合の措置については、必要に応じて国庫補助の復元について検討させていただく」(92年3月10日衆院厚生委員会、黒木武弘事務次官)とのべ、「復元」を約束していました。
その直後、バブルが崩壊し政管健保は赤字になりましたが、政府は約束を破り元に戻しませんでした。その結果、02年度までの11年間の累計でみると、約1兆6千億円もの国庫補助が削られてきたのです。
社会保障比

▲グラフ2社会保障比(『しんぶん赤旗』H15.3.3)=医療保険財政の赤字の原因、責任をみるならどう対応すべきかは明らかです。
まず、13%に引き下げられた政管健保の国庫補助率を約束通り元の16.4%に戻し、国の責任を果たすことです(03年度分で約千400億円戻る)。さらに92年以来削減してきた国庫補助1兆6千億円を計画的に保険財政に組み入れれば、政府がいう「財政悪化分」を埋め合わせてもおつりがきます。
もともと国・地方の税収に占める社会保障の支出は、サミット7ヵ国で日本が1番少ない率(22%)です(7日の衆院予算委員会での志位和夫委員長質問)。他の国は3割、4割、5割、6割になるところもあります(グラフ2)。イタリア並みに1割上げれば、増税なしに社会保障を8兆円増やせます。
国・地方で公共事業に45兆円から50兆円つぎこみながら、社会保障は貧しいという逆立ちを転換し、サミット諸国並みに社会保障に振り向ければ、財源は十分に生み出せます。